絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
(透夜さんが帰ってきたら一緒にツリーの飾り付けをしたいな)
そんなことを思いながらのマンションまでの帰り道、久しぶりに透夜のために夕食を振舞いたいと考えた美澄は、回り道をしてスーパーに立ち寄ろうとしていたのだが――。
スマホの通知音が歩くたびに鳴った。最初はスーパーに到着してから確認しようとしていたのだが、ピコンピコン連続でうるさいので、美澄は仕方なくポケットからスマホを取り出した。
画面を確認したところ、十件以上の通知が入っていた。
【病院はもう出たのか】
【体調はどうだ。無理はするな】
【寄り道はするなよ。あまり重い物は持つな】
【もう家に到着したか】
【おい。今どうしている】
【返事は? 大丈夫なのか】
【連絡をくれ】
【連絡を】
【連絡】
……
美澄はスマホの通知件数の多さにぎょっとする。
(一体いつから私の夫はこんなに過保護に……)
電話をするとすぐに出た。そのことにも驚いた。ちょうど休憩中だったのだろうか。メッセージは合間を縫って送ってくれていたのだろうか。
しかし。
「――怖いですよ」
美澄の第一声はそれだった。
『なんだよ。心配しちゃ悪いのか』
きっと、同室だった芽衣が流産したことで落ち込んでいたのを見ているからだろう。
あれ以来、過保護というか心配性の旦那様になっているようだ。それと、この季節がまた彼を縛り付けているのかもしれない。
しかしあれから、美澄も気を強く持つようになった。切迫早産という状況に不安になり、入院という普段とは違う環境に置かれて、どこかナイーブになっていたのだと思う。
「東雲先生は、ご自身の仕事を優先してください。私だって、一応医者の妻なんですから、そのくらいの覚悟はありますよ。それから、母親になる覚悟も」
『美澄……』
「ちょっと感動しました?」
『いや。おまえはすぐに調子に乗るやつだなと、呆れてるんだよ。この間までめそめとしていた奴とは思えん』
「先生のおかげですよ。本当、不思議なくらい落ち着きましたね。もうちょっとお腹の中にいたいんですね。甘えんぼかもしれません。透夜さんに似て」
『はあ? 何言ってるんだ。それは、おまえの方に似てるんだろう』
そういう彼の声が照れていた。
「私が二人になったらうるさいですよ」
『くれぐれも無茶はしないようにな。お産は何があるかわからないんだ』
「わかってます」
そんなことを思いながらのマンションまでの帰り道、久しぶりに透夜のために夕食を振舞いたいと考えた美澄は、回り道をしてスーパーに立ち寄ろうとしていたのだが――。
スマホの通知音が歩くたびに鳴った。最初はスーパーに到着してから確認しようとしていたのだが、ピコンピコン連続でうるさいので、美澄は仕方なくポケットからスマホを取り出した。
画面を確認したところ、十件以上の通知が入っていた。
【病院はもう出たのか】
【体調はどうだ。無理はするな】
【寄り道はするなよ。あまり重い物は持つな】
【もう家に到着したか】
【おい。今どうしている】
【返事は? 大丈夫なのか】
【連絡をくれ】
【連絡を】
【連絡】
……
美澄はスマホの通知件数の多さにぎょっとする。
(一体いつから私の夫はこんなに過保護に……)
電話をするとすぐに出た。そのことにも驚いた。ちょうど休憩中だったのだろうか。メッセージは合間を縫って送ってくれていたのだろうか。
しかし。
「――怖いですよ」
美澄の第一声はそれだった。
『なんだよ。心配しちゃ悪いのか』
きっと、同室だった芽衣が流産したことで落ち込んでいたのを見ているからだろう。
あれ以来、過保護というか心配性の旦那様になっているようだ。それと、この季節がまた彼を縛り付けているのかもしれない。
しかしあれから、美澄も気を強く持つようになった。切迫早産という状況に不安になり、入院という普段とは違う環境に置かれて、どこかナイーブになっていたのだと思う。
「東雲先生は、ご自身の仕事を優先してください。私だって、一応医者の妻なんですから、そのくらいの覚悟はありますよ。それから、母親になる覚悟も」
『美澄……』
「ちょっと感動しました?」
『いや。おまえはすぐに調子に乗るやつだなと、呆れてるんだよ。この間までめそめとしていた奴とは思えん』
「先生のおかげですよ。本当、不思議なくらい落ち着きましたね。もうちょっとお腹の中にいたいんですね。甘えんぼかもしれません。透夜さんに似て」
『はあ? 何言ってるんだ。それは、おまえの方に似てるんだろう』
そういう彼の声が照れていた。
「私が二人になったらうるさいですよ」
『くれぐれも無茶はしないようにな。お産は何があるかわからないんだ』
「わかってます」