絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
『今日はなるべく早く帰れるようにする』
「透夜さんも、お仕事無理しないように」
『ああ、じゃあ後でな』
それから通話をオフにし、美澄はスーパーで買い物を済ませた。透夜に忠告されたことを思い浮かべ、あまり荷物が重たくならないように、軽めの食材をチョイスする。
その帰り道――。
横断歩道で信号待ちをし、赤から青に変わって歩き出そうとしていた時だった。
突如けたたましいクラクションの音が鳴り響く。美澄は足を止めて何が起きたのかまわりを見渡す。
飛び出した子どもを避けた弾みでトラックが車と次々に衝突したらしい。呆然としていると、歩道へと投げ出されてきた一台の車がスピンし、側にいた人達を巻き込まんとしていた。
「あぶない! 逃げて!」
美澄が大声を張り上げると茫然としていた通行人は一斉に悲鳴をあげて散り散りに逃げる。あわや通行人に突っ込むとところで車はなんとか止まったものの、激しい衝撃音は別の方からも聞こえる。
現場はパニックだった。悲鳴と怒号に気をとられ、どこへ行っていいかもわからなくなる。逃げ遅れた女性に車は接触したらしい。倒れた彼女からみるみるうちに血が流れていく。
美澄の顔から血の気が引いた。慌てて彼女に駆け寄る。
「大丈夫ですか?」
「足が……っ」
怪我している。膝から下がアスファルトに削られていた。足首がへんな方向に曲がっているようにも見える。このまま動かさない方がいいかもしれない。
「まずは止血しないと! 他に痛いところはありますか? 反対側の足は動けますか?」
女性は苦悶の表情を浮かべ、首を振った。足をくじいたらしい。反対側も力が入らないようだ。
あたりは騒然としていた。六台くらいが大破している。通行人たちがざわついていた。
美澄はまわりを見渡した。他にも巻き込まれた人がいるかもしれない。大きめのタオルハンカチをバッグから取り出し、女性の足に巻き付けた。
「今、救急車呼びますから」
お年寄りがその場で座り込んでいたり、泣いている子どもたちがいる。運転手が出てきて、ざわざわとしている。電話をしている人たちもいる。
美澄は女性の足から流れる血をなんとか止めようとするので精一杯だった。
程なくして救急車のサイレンの音が近づいてきた。すぐに救急隊員が散り散りになり、要救助者へと駆け寄っていく。
「怪我人、ここにもいます」
「透夜さんも、お仕事無理しないように」
『ああ、じゃあ後でな』
それから通話をオフにし、美澄はスーパーで買い物を済ませた。透夜に忠告されたことを思い浮かべ、あまり荷物が重たくならないように、軽めの食材をチョイスする。
その帰り道――。
横断歩道で信号待ちをし、赤から青に変わって歩き出そうとしていた時だった。
突如けたたましいクラクションの音が鳴り響く。美澄は足を止めて何が起きたのかまわりを見渡す。
飛び出した子どもを避けた弾みでトラックが車と次々に衝突したらしい。呆然としていると、歩道へと投げ出されてきた一台の車がスピンし、側にいた人達を巻き込まんとしていた。
「あぶない! 逃げて!」
美澄が大声を張り上げると茫然としていた通行人は一斉に悲鳴をあげて散り散りに逃げる。あわや通行人に突っ込むとところで車はなんとか止まったものの、激しい衝撃音は別の方からも聞こえる。
現場はパニックだった。悲鳴と怒号に気をとられ、どこへ行っていいかもわからなくなる。逃げ遅れた女性に車は接触したらしい。倒れた彼女からみるみるうちに血が流れていく。
美澄の顔から血の気が引いた。慌てて彼女に駆け寄る。
「大丈夫ですか?」
「足が……っ」
怪我している。膝から下がアスファルトに削られていた。足首がへんな方向に曲がっているようにも見える。このまま動かさない方がいいかもしれない。
「まずは止血しないと! 他に痛いところはありますか? 反対側の足は動けますか?」
女性は苦悶の表情を浮かべ、首を振った。足をくじいたらしい。反対側も力が入らないようだ。
あたりは騒然としていた。六台くらいが大破している。通行人たちがざわついていた。
美澄はまわりを見渡した。他にも巻き込まれた人がいるかもしれない。大きめのタオルハンカチをバッグから取り出し、女性の足に巻き付けた。
「今、救急車呼びますから」
お年寄りがその場で座り込んでいたり、泣いている子どもたちがいる。運転手が出てきて、ざわざわとしている。電話をしている人たちもいる。
美澄は女性の足から流れる血をなんとか止めようとするので精一杯だった。
程なくして救急車のサイレンの音が近づいてきた。すぐに救急隊員が散り散りになり、要救助者へと駆け寄っていく。
「怪我人、ここにもいます」