絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
泊っていけといったのも、その実は泊ってほしかったのだろう。さっきの状況を考えると、柊と一対一でお世話をするのは大変だっただろう。切実に見ていてくれる人が欲しいと思うのも仕方ないかもしれない。
(なんだかへんなことになっちゃったな)
あのときに腹が立った気持ちはたしかだけれど、でも、それは過去のことだからと受け止めつつもある。
(よくよく考えれば、正論だったんだよね)
歯に衣を着せない言い方とか、上から目線だとか、俺様王様ならぬ魔王様のような態度だとか、色々引っかかることはあるが、大きな怪我がなくてよかった、と言ってくれたことも本心からだろうというのが今ならわかる。
お見合い相手――としては、どうなのだろう。彼も結婚する気はなさそうだったから、派遣保育士の任務が終ったら、それでさよならだろうけれど。もう少し傍にいたら彼のことをもっと知ることができるんじゃないかと、名残惜しくも思う。
そんなことを考えてから、美澄はハッとした。
(いけない。これじゃ、あの人の思う壷じゃない)
「と、とにかく顔、見た目は本当にいいんだよね。大きな病院の院長の息子で、優秀な外科医で、それでこんなに顔がよくて、ハイスペック……それが何よりの罪じゃないの」
美澄は透夜に毛布をかけると、彼の傍からそっと離れた。それから彼に背を向け、柊の方を向くように布団に横たわった。
透夜がすぐ隣で寝ていると思うと、落ち着かなくてドキドキしてしまう。けれど、せっかく寝付いたばっかりなのに起こしたら大変だ。美澄は柊と透夜の間に挟まれ、しばし我慢することにする。
柊は両手を万歳しているみたいな格好ですやすや寝ている。肩が冷えてしまわないように布団を深くかけ直しながら、その無邪気な寝顔を見守る。
子どもの寝顔は癒される。ずっと眺めていても飽きない。もちろん、お世話は大変だ。子育てはただ可愛いだけじゃ済まない。いつでも聞きわけがいいわけではないし、急に具合が悪くなったりもする。
だからこそ、世の中のお父さんお母さんが安心して働けるように、子どもたちが少しでも寂しくならないようにサポートするのが保育士の仕事だと、美澄は思っている。
そして、受け持った子どもたちが大きくなって色々なことを学んで卒業していくのを見届けることが、何よりの生き甲斐だった。
(なんだかへんなことになっちゃったな)
あのときに腹が立った気持ちはたしかだけれど、でも、それは過去のことだからと受け止めつつもある。
(よくよく考えれば、正論だったんだよね)
歯に衣を着せない言い方とか、上から目線だとか、俺様王様ならぬ魔王様のような態度だとか、色々引っかかることはあるが、大きな怪我がなくてよかった、と言ってくれたことも本心からだろうというのが今ならわかる。
お見合い相手――としては、どうなのだろう。彼も結婚する気はなさそうだったから、派遣保育士の任務が終ったら、それでさよならだろうけれど。もう少し傍にいたら彼のことをもっと知ることができるんじゃないかと、名残惜しくも思う。
そんなことを考えてから、美澄はハッとした。
(いけない。これじゃ、あの人の思う壷じゃない)
「と、とにかく顔、見た目は本当にいいんだよね。大きな病院の院長の息子で、優秀な外科医で、それでこんなに顔がよくて、ハイスペック……それが何よりの罪じゃないの」
美澄は透夜に毛布をかけると、彼の傍からそっと離れた。それから彼に背を向け、柊の方を向くように布団に横たわった。
透夜がすぐ隣で寝ていると思うと、落ち着かなくてドキドキしてしまう。けれど、せっかく寝付いたばっかりなのに起こしたら大変だ。美澄は柊と透夜の間に挟まれ、しばし我慢することにする。
柊は両手を万歳しているみたいな格好ですやすや寝ている。肩が冷えてしまわないように布団を深くかけ直しながら、その無邪気な寝顔を見守る。
子どもの寝顔は癒される。ずっと眺めていても飽きない。もちろん、お世話は大変だ。子育てはただ可愛いだけじゃ済まない。いつでも聞きわけがいいわけではないし、急に具合が悪くなったりもする。
だからこそ、世の中のお父さんお母さんが安心して働けるように、子どもたちが少しでも寂しくならないようにサポートするのが保育士の仕事だと、美澄は思っている。
そして、受け持った子どもたちが大きくなって色々なことを学んで卒業していくのを見届けることが、何よりの生き甲斐だった。