絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
目を瞑っているうちに、だんだんと眠気がうつったらしい。そのまま美澄は意識を手放していた。
***
瞼の裏を明るい陽光が染め上げていき、香ばしい匂いが漂ってくるのを感じて、美澄は目を覚ました。
ゆっくりと身体を起こして、ぼうっとする頭のまま状況を確認する。
時計は八時をさしている。だいぶゆっくりの目覚めだった。隣で柊はまだ眠っていて、透夜はキッチンに立っていた。どうやら彼はコーヒーを淹れていたらしい。
――昨日のお見合い事件は、夢、ではなかった。
「おはようございます」
美澄はおずおずと透夜に声をかけた。
「ああ、起きたか。おはよう」
彼はごく自然に挨拶を返してくる。
「先生は、寝起きはいいんですね」
「まあ、職業柄だな。短時間で起きられるようになっていた」
飲むか?と言われて、美澄は頷く。
何が起きようと、いつでも平常心でいられるのも、医者という職業柄なのだろうか。
「いただく前に、柊くんがまだ眠っているうちに、さっと顔洗ってきますね」
髪の毛はぼさぼさだし、さすがにすっぴんの顔をあんまり真正面からみられたくない。
美澄はとなりで柊がまだ寝ているのを確認したあと、洗面所へ直行した。
身支度を整えたあと、美澄は透夜に問いかけた。
「――あの、昨日のこと覚えていますか。夜……」
「夜?」
「いえ。なんでもないです」
美澄は悶々としながらも昨日のことはとりあえず秘めておくことにした。自分から口にすると、墓穴を掘りそうだったからだ。
いつか、このネタが役に立つかもしれない。彼の弱みを握っておいたほうが、何かと便利かもしれないし……という打算もあった。
悶々と考えていたら怪訝な顔をされてしまったので、美澄は柊の着替えを用意しつつ、話題を変えることにする。
「お姉さんって、今日の午後にお迎えにくるんでしたっけ?」
「午後三時くらいだそうだ。仕事が終わったらこちらに向かうと言っているが、時間が押すこともあるようだな」
「じゃあ、ピクニック日和ですし、お昼ちょっと前に外に出ましょうか? きっと外遊び楽しいと思います。私、朝ごはんついでに、お弁当つくりますよ」
二人の話し声で目が覚めたらしい。
柊が目をこすりながらむくりと布団から起き上がった。
「あしょぶ? おしょと?」
「うんうん。お昼になったら、お外にお出かけしようか?」
***
瞼の裏を明るい陽光が染め上げていき、香ばしい匂いが漂ってくるのを感じて、美澄は目を覚ました。
ゆっくりと身体を起こして、ぼうっとする頭のまま状況を確認する。
時計は八時をさしている。だいぶゆっくりの目覚めだった。隣で柊はまだ眠っていて、透夜はキッチンに立っていた。どうやら彼はコーヒーを淹れていたらしい。
――昨日のお見合い事件は、夢、ではなかった。
「おはようございます」
美澄はおずおずと透夜に声をかけた。
「ああ、起きたか。おはよう」
彼はごく自然に挨拶を返してくる。
「先生は、寝起きはいいんですね」
「まあ、職業柄だな。短時間で起きられるようになっていた」
飲むか?と言われて、美澄は頷く。
何が起きようと、いつでも平常心でいられるのも、医者という職業柄なのだろうか。
「いただく前に、柊くんがまだ眠っているうちに、さっと顔洗ってきますね」
髪の毛はぼさぼさだし、さすがにすっぴんの顔をあんまり真正面からみられたくない。
美澄はとなりで柊がまだ寝ているのを確認したあと、洗面所へ直行した。
身支度を整えたあと、美澄は透夜に問いかけた。
「――あの、昨日のこと覚えていますか。夜……」
「夜?」
「いえ。なんでもないです」
美澄は悶々としながらも昨日のことはとりあえず秘めておくことにした。自分から口にすると、墓穴を掘りそうだったからだ。
いつか、このネタが役に立つかもしれない。彼の弱みを握っておいたほうが、何かと便利かもしれないし……という打算もあった。
悶々と考えていたら怪訝な顔をされてしまったので、美澄は柊の着替えを用意しつつ、話題を変えることにする。
「お姉さんって、今日の午後にお迎えにくるんでしたっけ?」
「午後三時くらいだそうだ。仕事が終わったらこちらに向かうと言っているが、時間が押すこともあるようだな」
「じゃあ、ピクニック日和ですし、お昼ちょっと前に外に出ましょうか? きっと外遊び楽しいと思います。私、朝ごはんついでに、お弁当つくりますよ」
二人の話し声で目が覚めたらしい。
柊が目をこすりながらむくりと布団から起き上がった。
「あしょぶ? おしょと?」
「うんうん。お昼になったら、お外にお出かけしようか?」