絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
お弁当作りは順調に完了し、その後、美澄はコンビニで下着だけ調達し、ランドリーを拝借することにする。それから用意してもらった服に着替えた。足のサイズも確認してくれたのかスニーカーまで揃えてくれたらしい。
東雲先生宅の福利厚生はとにかく素晴らしかった。
(っていうか、よくよく考えて、お弁当作りに子どものお世話だけで、フレンチとこの数々の貢ぎもの……割に合うのかな)
逆に借りを作っているような気がしてならない。まさかそれを脅しのネタに使われるのではないだろうかという心配がよぎったが、けれど今は彼の親切だと思うようにする。
準備を済ませると、一行は午前十一時頃にマンションの部屋を出た。玄関脇に置いてあったベビーカーに柊を乗せ、抱っこ紐をうしろのかごに装備する。お弁当類はリュックに入れることにした。
「さ、出発」
「しゅぱーつ!」
真似っこした柊の子どもらしい愛らしさに微笑んでベビーカーを押す。後ろから透夜がついてくる。
向かったのは、徒歩十分圏内、病院とマンションのちょうど間くらいにある比較的大きな公園だった。
休日ではないにしろ、今はお花見真っ盛りの季節でもある。レジャーシートを敷いて、ピクニックを楽しむ家族連れが大勢いた。
(私たちもあんなふうに見えているのかな)
ちょっと気恥ずかしいような気持ちになってきて、考えを打ち消すように彼らの方を振り向くと、
「あれっ、もう食べるんですか?」
透夜と柊が揃ってレジャーシートに正座していた。
柊が興味津々にバスケットを開き、さっそくサンドイッチに手を伸ばそうとしている。
「腹が減ったんだ。なあ、柊」
「……うん」
少しだけれど、共通の目的があるからか、距離を縮めたらしい疑似親子は顔を見合わせて頷く。その様子に、美澄の母性がキュンと悲鳴をあげる。
(ちょっと、可愛いがすぎるのでは?)
まだぎこちないけれど、これから少しでも仲良くなれたらいいな、と美澄は微笑んだ。
「じゃあ、ウエットティッシュで手を拭いて。いただきまーす」
美澄が手を合わせると、柊も真似して続いた。
「まーしゅ!」
「ほら、先生」
「……ます」
渋々とだが、透夜も揃えてくれた。
それから――。
それぞれ食事を楽しんだあと、柊はさっそく芝生の上で駆け回りはじまった。
東雲先生宅の福利厚生はとにかく素晴らしかった。
(っていうか、よくよく考えて、お弁当作りに子どものお世話だけで、フレンチとこの数々の貢ぎもの……割に合うのかな)
逆に借りを作っているような気がしてならない。まさかそれを脅しのネタに使われるのではないだろうかという心配がよぎったが、けれど今は彼の親切だと思うようにする。
準備を済ませると、一行は午前十一時頃にマンションの部屋を出た。玄関脇に置いてあったベビーカーに柊を乗せ、抱っこ紐をうしろのかごに装備する。お弁当類はリュックに入れることにした。
「さ、出発」
「しゅぱーつ!」
真似っこした柊の子どもらしい愛らしさに微笑んでベビーカーを押す。後ろから透夜がついてくる。
向かったのは、徒歩十分圏内、病院とマンションのちょうど間くらいにある比較的大きな公園だった。
休日ではないにしろ、今はお花見真っ盛りの季節でもある。レジャーシートを敷いて、ピクニックを楽しむ家族連れが大勢いた。
(私たちもあんなふうに見えているのかな)
ちょっと気恥ずかしいような気持ちになってきて、考えを打ち消すように彼らの方を振り向くと、
「あれっ、もう食べるんですか?」
透夜と柊が揃ってレジャーシートに正座していた。
柊が興味津々にバスケットを開き、さっそくサンドイッチに手を伸ばそうとしている。
「腹が減ったんだ。なあ、柊」
「……うん」
少しだけれど、共通の目的があるからか、距離を縮めたらしい疑似親子は顔を見合わせて頷く。その様子に、美澄の母性がキュンと悲鳴をあげる。
(ちょっと、可愛いがすぎるのでは?)
まだぎこちないけれど、これから少しでも仲良くなれたらいいな、と美澄は微笑んだ。
「じゃあ、ウエットティッシュで手を拭いて。いただきまーす」
美澄が手を合わせると、柊も真似して続いた。
「まーしゅ!」
「ほら、先生」
「……ます」
渋々とだが、透夜も揃えてくれた。
それから――。
それぞれ食事を楽しんだあと、柊はさっそく芝生の上で駆け回りはじまった。