絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
透夜と美澄はそんな柊を追いかけたりボールで遊んだり、公園の中を散策したりしてるうちに、やがて陽はゆっくりと傾いていった。
「あいつのはしゃいでいる姿を見たことは初めてかもしれないな」
柊の遊んでいた玩具を片付けながら、透夜は言った。柊は疲れたらしくマグの麦茶を飲み干したあと、うとうとと頭を揺らしはじめていたので、美澄は柊をベビーカーに乗せてあげた。
「少し打ち解けた感じありましたよね。よかったですよ」
美澄がにこやかにいうと、透夜は感心したように頷いた。
「さすがだったな。おまえ、保育士には復帰しないのか」
「……それは、考え中です。それに、今回失敗した見合いの件を報告したら、八重さんに何か言われるかもしれないし、新しい人見つけて婚活してもいいかなって」
褒められたことがくすぐったくて、冗談を交えた会話をしたつもりだったが、透夜が珍しく動揺していた。
「あれ? ひょっとして私のこと手放すの惜しくなりました?」
「……調子に乗るな。おまえと話していると、こっちの調子が狂う」
ふいっと、透夜は視線を逸らす。
「それはこちらのセリフですよ。でも、悪くなかったです。お医者様の姿からは想像がつかなかったこと、たくさん発見できましたから。弱みを握った気分です」
美澄が笑うと、透夜はこちらを一瞥し、きまりわるそうな顔をしていた。
私服の彼はモデルにも見間違うスタイルの良さと見目麗しさで、家庭的な雰囲気からはかけ離れている。通りすぎるファミリーの中には「芸能人の子連れ?」と囁く人もいた。
医者だと知ったら、その方が驚くかもしれない。
(口の悪い外科医だけど、まあ、この見た目なら看護師さんにもモテそうだよね)
それこそわざわざお見合いしなくても、どこかのお嬢様なんかと良縁に恵まれそうなものだが。
美澄が観察していると、
「なんだ」
と、透夜は鬱陶しそうに眉間に皺を寄せた。
「いいえ、なんでも」
美澄は首を横に振る。余計なことをして機嫌を損ねたくはない。任務を完了すればそれで終わりなのだから。
突然けたたましくスマホが鳴った。透夜がポケットから取り出す。
どうやら彼のお姉さんから連絡が入ったようだ。
「そろそろ着くらしい」
「あいつのはしゃいでいる姿を見たことは初めてかもしれないな」
柊の遊んでいた玩具を片付けながら、透夜は言った。柊は疲れたらしくマグの麦茶を飲み干したあと、うとうとと頭を揺らしはじめていたので、美澄は柊をベビーカーに乗せてあげた。
「少し打ち解けた感じありましたよね。よかったですよ」
美澄がにこやかにいうと、透夜は感心したように頷いた。
「さすがだったな。おまえ、保育士には復帰しないのか」
「……それは、考え中です。それに、今回失敗した見合いの件を報告したら、八重さんに何か言われるかもしれないし、新しい人見つけて婚活してもいいかなって」
褒められたことがくすぐったくて、冗談を交えた会話をしたつもりだったが、透夜が珍しく動揺していた。
「あれ? ひょっとして私のこと手放すの惜しくなりました?」
「……調子に乗るな。おまえと話していると、こっちの調子が狂う」
ふいっと、透夜は視線を逸らす。
「それはこちらのセリフですよ。でも、悪くなかったです。お医者様の姿からは想像がつかなかったこと、たくさん発見できましたから。弱みを握った気分です」
美澄が笑うと、透夜はこちらを一瞥し、きまりわるそうな顔をしていた。
私服の彼はモデルにも見間違うスタイルの良さと見目麗しさで、家庭的な雰囲気からはかけ離れている。通りすぎるファミリーの中には「芸能人の子連れ?」と囁く人もいた。
医者だと知ったら、その方が驚くかもしれない。
(口の悪い外科医だけど、まあ、この見た目なら看護師さんにもモテそうだよね)
それこそわざわざお見合いしなくても、どこかのお嬢様なんかと良縁に恵まれそうなものだが。
美澄が観察していると、
「なんだ」
と、透夜は鬱陶しそうに眉間に皺を寄せた。
「いいえ、なんでも」
美澄は首を横に振る。余計なことをして機嫌を損ねたくはない。任務を完了すればそれで終わりなのだから。
突然けたたましくスマホが鳴った。透夜がポケットから取り出す。
どうやら彼のお姉さんから連絡が入ったようだ。
「そろそろ着くらしい」