絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
美澄はおずおずと顔を上げた。
「互いが合意の上なら、順番なんて問題じゃないだろ」
そっけない物言いは、関係を深めたからといってすぐに変化するわけではないらしい。けれど、額に、頬に、キスをしてくる彼からは、ちゃんと愛情を感じとれる。
不意に、脇腹を触れられ、美澄は身をよじった。
「痕が残らなくてよかった。ちゃんと綺麗だ」
「……!」
彼に先ほど愛撫された場所でもある。彼は、気にしてくれていたらしい。
「正直な話……おまえが家にいてくれることが、俺にはよほど嬉しいことだったみたいだ。まんまと落とされたのは、俺の方だったな」
透夜の飾らない言葉に、美澄は照れながらも、嬉しかったから、本心を告げることにする。
「私も、一緒ですよ。透夜さんと一緒に過ごせるのが、嬉しくて……こんな気持ちになるなんて、自分が一番驚いています」
「俺たちは、案外、相性がよかったわけだ」
透夜が揶揄するように言う。さっきベッドの上で交わしたことが急に恥ずかしくなってくる。
「いじわるはなしですよ」
「もう一度、かわいがるのは?」
「……それは、あなた次第です」
透夜の口ぶりを真似して言ってみた。
「なら、試してみるか」
透夜は身を起こし、美澄の唇を啄んだ。
何度目かのキスをする。さっきの激しい情熱に駆られる交わりとはまた違い、唇を重ねて、肌を寄せるだけで、心地がよかった。
好きとは口にしなかったけれど、好きとは言われなかったけれど、お互いの気持ちが向いている。そのことが嬉しくて、今はただそれだけいいとこの時はそう思っていた。
「――……」
「……ん」
一度火が付いた熱はなかなかおさまらないものらしい。結局キスだけでは済まなくなり、時間を忘れて抱き合った。
二度目の交わりの果てに、お互いにシャワーで汗を流したあと、ベッドに入った途端、気だるさが眠気を誘った。
やがて寝息が聞こえてきて、美澄は透夜に寄り添った。くっついているとドキドキするけれど、それ以上に安堵を覚える。一緒のベッドで眠るのもだんだん慣れてきた。これからごく自然に、二人は夫婦になっていけるだろうか。そんなことを考えながら、美澄も夢の中へと落ちていったのだった。
■節タイトル
5 彼の秘められた過去
■本文
五月の連休明けのことだった。
美澄は東雲総合病院を訪れていた。
「互いが合意の上なら、順番なんて問題じゃないだろ」
そっけない物言いは、関係を深めたからといってすぐに変化するわけではないらしい。けれど、額に、頬に、キスをしてくる彼からは、ちゃんと愛情を感じとれる。
不意に、脇腹を触れられ、美澄は身をよじった。
「痕が残らなくてよかった。ちゃんと綺麗だ」
「……!」
彼に先ほど愛撫された場所でもある。彼は、気にしてくれていたらしい。
「正直な話……おまえが家にいてくれることが、俺にはよほど嬉しいことだったみたいだ。まんまと落とされたのは、俺の方だったな」
透夜の飾らない言葉に、美澄は照れながらも、嬉しかったから、本心を告げることにする。
「私も、一緒ですよ。透夜さんと一緒に過ごせるのが、嬉しくて……こんな気持ちになるなんて、自分が一番驚いています」
「俺たちは、案外、相性がよかったわけだ」
透夜が揶揄するように言う。さっきベッドの上で交わしたことが急に恥ずかしくなってくる。
「いじわるはなしですよ」
「もう一度、かわいがるのは?」
「……それは、あなた次第です」
透夜の口ぶりを真似して言ってみた。
「なら、試してみるか」
透夜は身を起こし、美澄の唇を啄んだ。
何度目かのキスをする。さっきの激しい情熱に駆られる交わりとはまた違い、唇を重ねて、肌を寄せるだけで、心地がよかった。
好きとは口にしなかったけれど、好きとは言われなかったけれど、お互いの気持ちが向いている。そのことが嬉しくて、今はただそれだけいいとこの時はそう思っていた。
「――……」
「……ん」
一度火が付いた熱はなかなかおさまらないものらしい。結局キスだけでは済まなくなり、時間を忘れて抱き合った。
二度目の交わりの果てに、お互いにシャワーで汗を流したあと、ベッドに入った途端、気だるさが眠気を誘った。
やがて寝息が聞こえてきて、美澄は透夜に寄り添った。くっついているとドキドキするけれど、それ以上に安堵を覚える。一緒のベッドで眠るのもだんだん慣れてきた。これからごく自然に、二人は夫婦になっていけるだろうか。そんなことを考えながら、美澄も夢の中へと落ちていったのだった。
■節タイトル
5 彼の秘められた過去
■本文
五月の連休明けのことだった。
美澄は東雲総合病院を訪れていた。