絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
どうにか矛先を変えたくて、美澄はとっさに服部に質問を投げかけた。
「服部先生は、結婚するつもりはないんですか?」
「ああ、僕は自由主義だから」
あっけらかんと服部は言った。
「そう、なんですね」
服部のいう自由主義とは、何か彼にしかわからない特別な意味がありそうだ。どういうふうにも捉えられる。モテモテと言われていたのに結婚しないのは、博愛主義という名の遊び人なのか、それともただの無関心なのか。
(うーん、掴めない人だわ、服部先生……)
「それより、さ。ちょっと今日の夕方、少し時間とれないかな。君に話したいことがあるんだ」
「私に、ですか?」
「うん。透夜のことで君に確かめたいことがあってね」
美澄は弾かれたように食いついた。
「透夜さんに何かあったんですか?」
「ここじゃちょっと。プライバシーに関わる話だから」
服部は困った表情を浮べ、声のトーンを落とした。
ひょっとして不眠症のことと関係があるのだろうか。同期で気心の知れている彼なら何か知っていることがあるかもしれないし、話を聞くくらいなら悪くはないだろう。
「わかりました」
「ありがとう。それじゃあ、帰りにタクシー拾って、マンションの前まで迎えに行くよ」
連絡先を交換したあと、美澄は服部と別れて病院を出た。透夜は忙しそうにしていたので、声をかけることは断念した。それよりも服部のいう大事な話のことが今は気がかりだった。
その日の夕方――。
午後七時頃に服部からメッセージの通知が届いた。
『今行くから十分後くらいに外に出て』という内容だった。
出かける準備をしていた美澄は、言われたとおりにマンションのエントランスで待つ。その後、迎えにきた服部と一緒にタクシーに乗り込むと、車はホテルの前で停車した。
一瞬、身構えてしまった美澄に気付き、服部はすぐに一言添えた。
「ああ、誤解しないでね。用事があるのはレストランの方だから」
服部が手を向けた方には、きちんとレストランの名前が書かれてある。
美澄がほっとすると、服部は苦笑し、首の後ろを掻いた。
「まったく、信用がないな」
「す、すみません。服部先生はすごくモテモテだと看護師さんが言っていましたし、その、実際に服部先生は女の人の扱いには慣れていそうですし」
「まあ、東雲よりは臨機応変にそのへんはやるけど、こう見えて真面目な医者だよ、僕は」
「服部先生は、結婚するつもりはないんですか?」
「ああ、僕は自由主義だから」
あっけらかんと服部は言った。
「そう、なんですね」
服部のいう自由主義とは、何か彼にしかわからない特別な意味がありそうだ。どういうふうにも捉えられる。モテモテと言われていたのに結婚しないのは、博愛主義という名の遊び人なのか、それともただの無関心なのか。
(うーん、掴めない人だわ、服部先生……)
「それより、さ。ちょっと今日の夕方、少し時間とれないかな。君に話したいことがあるんだ」
「私に、ですか?」
「うん。透夜のことで君に確かめたいことがあってね」
美澄は弾かれたように食いついた。
「透夜さんに何かあったんですか?」
「ここじゃちょっと。プライバシーに関わる話だから」
服部は困った表情を浮べ、声のトーンを落とした。
ひょっとして不眠症のことと関係があるのだろうか。同期で気心の知れている彼なら何か知っていることがあるかもしれないし、話を聞くくらいなら悪くはないだろう。
「わかりました」
「ありがとう。それじゃあ、帰りにタクシー拾って、マンションの前まで迎えに行くよ」
連絡先を交換したあと、美澄は服部と別れて病院を出た。透夜は忙しそうにしていたので、声をかけることは断念した。それよりも服部のいう大事な話のことが今は気がかりだった。
その日の夕方――。
午後七時頃に服部からメッセージの通知が届いた。
『今行くから十分後くらいに外に出て』という内容だった。
出かける準備をしていた美澄は、言われたとおりにマンションのエントランスで待つ。その後、迎えにきた服部と一緒にタクシーに乗り込むと、車はホテルの前で停車した。
一瞬、身構えてしまった美澄に気付き、服部はすぐに一言添えた。
「ああ、誤解しないでね。用事があるのはレストランの方だから」
服部が手を向けた方には、きちんとレストランの名前が書かれてある。
美澄がほっとすると、服部は苦笑し、首の後ろを掻いた。
「まったく、信用がないな」
「す、すみません。服部先生はすごくモテモテだと看護師さんが言っていましたし、その、実際に服部先生は女の人の扱いには慣れていそうですし」
「まあ、東雲よりは臨機応変にそのへんはやるけど、こう見えて真面目な医者だよ、僕は」