絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
エントランスの前まで来ると、美澄は衝動的に口を開いた。
「透夜さん、大事なこと聞いてもいいですか?」
「服部の言うことは気にするな。いつもあんな調子だ。張り合ってきたりからかってみたり、今日のことも、おまえに構ってみたかっただけだろう。まったく迷惑な話だな」
透夜はこちらを見ない。それが、隠したいことがあると暗に意味するようで、美澄はたまらなく泣きたくなった。
「はぐらかすんですか」
「美澄、あいつのいうことを真に受けるな」
諭そうとする透夜の声を遮り、美澄は言い募った。
「私を気に入ったって、お見合いの席で、透夜さんは言ってくれました。それって嘘だったんですね」
「あれは嘘じゃない。本心だ」
透夜が冷静であればあるほど、美澄は激昂した。
「本心は違うでしょう! 私が、あなたの忘れられない人に似ているからなんじゃないですか?」
美澄の激しい追及に、透夜は目を丸くし、それから、彼は参ったといわんばかりに額に手をやった。
どんどん真実味が帯びてくる。否、もう真実だと語っているも同然ではないか。美澄は黙っていることができなくなってしまった。
「幼なじみの女性に似ているって、服部先生は言っていました。だったら、強引にでも彼女に結婚を申し込んだらよかったじゃないですか。同じようにお試しで契約結婚してくれって。そうはできない理由が何かあるんですか」
「美澄、彼女にはもう会えないんだ」
「どうして。それだけ強く想っているのに!」
美澄の涙を浮かべた顔を見て、透夜は苦しそうに表情を歪めたあと、小さくため息をつく。
「もう二度と会えないからだ」
「だから、どうして」
食い下がる美澄に、透夜は沈んだ声で言った。
「彼女は、この世にはいない。もう随分前に……死んだんだよ」
「……死……?」
まさか、そんな回答が返ってくるとは思わず、美澄はショックを受けて言葉を失う。
透夜は静かに「ああ」と頷く。
美澄はそれ以上追及できなくなり、押し黙った。
二人の間に気まずい沈黙が下りる。
「その調子じゃ、服部からはかいつまんだ情報だけちらつかせられたんだろう。本当にあいつは……」
そう一言添えてから、透夜は改めて美澄をまっすぐに見た。
「これに関しては、おまえは知る必要がないことと思っていた。ただ、知りたいと思うなら順序立てて話をしようと考えていたんだ」
「透夜さん、大事なこと聞いてもいいですか?」
「服部の言うことは気にするな。いつもあんな調子だ。張り合ってきたりからかってみたり、今日のことも、おまえに構ってみたかっただけだろう。まったく迷惑な話だな」
透夜はこちらを見ない。それが、隠したいことがあると暗に意味するようで、美澄はたまらなく泣きたくなった。
「はぐらかすんですか」
「美澄、あいつのいうことを真に受けるな」
諭そうとする透夜の声を遮り、美澄は言い募った。
「私を気に入ったって、お見合いの席で、透夜さんは言ってくれました。それって嘘だったんですね」
「あれは嘘じゃない。本心だ」
透夜が冷静であればあるほど、美澄は激昂した。
「本心は違うでしょう! 私が、あなたの忘れられない人に似ているからなんじゃないですか?」
美澄の激しい追及に、透夜は目を丸くし、それから、彼は参ったといわんばかりに額に手をやった。
どんどん真実味が帯びてくる。否、もう真実だと語っているも同然ではないか。美澄は黙っていることができなくなってしまった。
「幼なじみの女性に似ているって、服部先生は言っていました。だったら、強引にでも彼女に結婚を申し込んだらよかったじゃないですか。同じようにお試しで契約結婚してくれって。そうはできない理由が何かあるんですか」
「美澄、彼女にはもう会えないんだ」
「どうして。それだけ強く想っているのに!」
美澄の涙を浮かべた顔を見て、透夜は苦しそうに表情を歪めたあと、小さくため息をつく。
「もう二度と会えないからだ」
「だから、どうして」
食い下がる美澄に、透夜は沈んだ声で言った。
「彼女は、この世にはいない。もう随分前に……死んだんだよ」
「……死……?」
まさか、そんな回答が返ってくるとは思わず、美澄はショックを受けて言葉を失う。
透夜は静かに「ああ」と頷く。
美澄はそれ以上追及できなくなり、押し黙った。
二人の間に気まずい沈黙が下りる。
「その調子じゃ、服部からはかいつまんだ情報だけちらつかせられたんだろう。本当にあいつは……」
そう一言添えてから、透夜は改めて美澄をまっすぐに見た。
「これに関しては、おまえは知る必要がないことと思っていた。ただ、知りたいと思うなら順序立てて話をしようと考えていたんだ」