絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
「どれだけの人を救っても、過去の痛みは消せない。どんどん抱えるものが増えていくばかりだって、透夜は言っていた。そんな中、やっと弟が自分の人生に目を向けるようになったの、嬉しかったのよ。幸せになってほしいと思ってる」
「あいつに外科医をやめられたら、僕もチームの一員として困ることになるからね」
二人の言葉や表情には透夜を想う気持ちが溢れていた。
透夜のことを思い浮かべ、美澄は胸にせり上がってくる熱い感情を一人で処理できず、どうしていいかわからなくなった。
「美澄ちゃんは、透夜のこと今、どう思っているのかしら?」
薫子にそっと問いかけられ、美澄は一気にこみ上げてきそうな感情を我慢するように唇をぐっと噛んでから、整理のつかない想いを、絡まり合った糸を解いていくように、ゆっくり吐露する。
「最初の出逢い――私が救急車で運ばれて入院したときは、どうしようもなく腹が立つお医者さんでした。口は悪いし、態度もなんかとにかくひどくて。なんでこんなに傷ついたのに、医者のくせにひどいこというんだろうって思いました」
「その場面はなんとなく想像がつくわね」
薫子が苦笑する。まったくだ、と呆れたように服部が同調する。
「……でも、八重さんから持ちかけられたお見合いの場で再会して、なりゆきで契約結婚することになって、なんだかんだ透夜さんと一緒に過ごしていくうちに、本当の彼が少しずつ見えるようになっていった。そっけないのは優しさの裏返しで、口が悪いのは照れ隠しなんだってわかりました」
言葉に出すことで、不思議なくらいに気持ちが落ち着いていく。そして、彼に対する想いがはっきりと形になっていくのを感じる。やっぱり、もうとっくに彼に恋をしていたのだと。
「……それから、自分でも驚くくらい彼を……どんどん好きになっていきました。本当の彼を知っていって、もっと知りたくなった。もっと一緒にいて、たくさんの時間を過ごしたいと思うようになっていました」
傍にいない時間は透夜のことばかり考えてしまう。彼の笑顔が見たいと思う。
「美澄ちゃん……」
「私、もう、こんな状態じゃ、後戻りなんてできないんです。とっくに深入りしてしまっているんです。だから私、仮初の契約結婚なんかじゃなくて、透夜さんと、ちゃんと結婚したいです。彼の……本物の奥さんになりたい」
「あいつに外科医をやめられたら、僕もチームの一員として困ることになるからね」
二人の言葉や表情には透夜を想う気持ちが溢れていた。
透夜のことを思い浮かべ、美澄は胸にせり上がってくる熱い感情を一人で処理できず、どうしていいかわからなくなった。
「美澄ちゃんは、透夜のこと今、どう思っているのかしら?」
薫子にそっと問いかけられ、美澄は一気にこみ上げてきそうな感情を我慢するように唇をぐっと噛んでから、整理のつかない想いを、絡まり合った糸を解いていくように、ゆっくり吐露する。
「最初の出逢い――私が救急車で運ばれて入院したときは、どうしようもなく腹が立つお医者さんでした。口は悪いし、態度もなんかとにかくひどくて。なんでこんなに傷ついたのに、医者のくせにひどいこというんだろうって思いました」
「その場面はなんとなく想像がつくわね」
薫子が苦笑する。まったくだ、と呆れたように服部が同調する。
「……でも、八重さんから持ちかけられたお見合いの場で再会して、なりゆきで契約結婚することになって、なんだかんだ透夜さんと一緒に過ごしていくうちに、本当の彼が少しずつ見えるようになっていった。そっけないのは優しさの裏返しで、口が悪いのは照れ隠しなんだってわかりました」
言葉に出すことで、不思議なくらいに気持ちが落ち着いていく。そして、彼に対する想いがはっきりと形になっていくのを感じる。やっぱり、もうとっくに彼に恋をしていたのだと。
「……それから、自分でも驚くくらい彼を……どんどん好きになっていきました。本当の彼を知っていって、もっと知りたくなった。もっと一緒にいて、たくさんの時間を過ごしたいと思うようになっていました」
傍にいない時間は透夜のことばかり考えてしまう。彼の笑顔が見たいと思う。
「美澄ちゃん……」
「私、もう、こんな状態じゃ、後戻りなんてできないんです。とっくに深入りしてしまっているんです。だから私、仮初の契約結婚なんかじゃなくて、透夜さんと、ちゃんと結婚したいです。彼の……本物の奥さんになりたい」