絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
 言葉にしたら想いがこみ上げてきて、あっという間に視界が潤み、涙が溢れて止まらなくなってしまった。
 大事な彼女のことを忘れられなくてもいい。いつか一番にしてもらえたら、それでいい。それでもいいから、彼と離れたくない。発露した想いは、どんどん育って、自分の手に負えないくらいに大きくなっていく。
「美澄ちゃん……ありがとう。そんなふうに透夜のこと想ってくれて。あいつは幸せもんだわ」
「ほんとうに、あいつにもったいない」
 薫子と服部に慰められるうちに、美澄はだんだんと腹が立ってきた。
「でも、ひどいです、透夜さん。君にひとめぼれしましたって言ってくれてたら、まだるっこしいことだってなかったのに。なんか悔しいです」
 美澄はそう言い、思わず拳を握った。泣いて折れるだけじゃおさまらないのが彼女の性格だった。
「はは。ぼくならきっと言ってたのにな。やっぱり乗り換える?」
 服部がそう言い、ずいっと顔を近づけてきた。しかしすぐに薫子から牽制が入る。
「服部~?」
「はいはい。じゃあ、そういうことで皆でフルーツ大福を食べようか」
 あえなく退散した服部は、矛先をよけるようにフルーツ大福の箱を開く。
「まったく、あんたって人は」
「甘い食べ物は、疲弊した心をいやす天才だよ」
 そんな二人の楽しいやりとりを眺めながら、美澄は改めて透夜への気持ちを温める。
「そういえば」
 美澄はスマホのメッセージを確認した。薫子と服部が来る前に、確認しようとしていたのだ。
 発信元は透夜だった。
 メッセージにはこう書かれてあった。
【会いたい。明日の夕方、最初に出逢った店に来てほしい。やり直しがしたい】と。
「なになに? 透夜から?」
「はい。なんか……会いたい。やり直しがしたいって」
 その言葉をかみしめると、胸の内側からあたたかいものが溢れ出していくのを感じた。
「そっか。今度こそ、雨降って地固まる、かな」
 と、服部はほっとしたようにため息をついた。
「ねえ、美澄ちゃん、透夜とちゃんと話しておいで。うまくいきますように応援しているから」
 薫子に励まされ、美澄は涙をぬぐい頷く。
 会いたい。顔が見たい。話がしたい。
 透夜からちゃんと真実を聞きたい。
 そうしたら、ちゃんとこの想いを伝えよう。
 今、思っていること、ありのまま、すべてを。
























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