絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
まもなく妊娠九ヶ月……妊娠周期としては三十二週に入る頃。お腹に強い張りを感じ、心配になって受診した美澄が医師から告げられたのは、切迫早産の危険がある、ということだった。
「――切迫早産、ですか」
美澄は頭が真っ白になった。
知識としては少しだけ本で読んだことがあるが、その詳細は知らない。
まさか自分がその当事者になるとは思わず、不安がこみ上げてくる。
「赤ちゃんは、大丈夫なんでしょうか」
落ち着かない様子で手を握った美澄を見て、医師は話を続ける。
「あくまでこのままだったら危険性があるということです。現在、東雲さんは妊娠三十二週に入るところなので、三十七週まではなんとかお腹の中で持ちこたえられるようにしたいんです。ここがリスクを回避できる最大限の周期なんです。ですから、ひとまず二週間は入院して様子を見た方がいいでしょう」
「もしも……止められなかったら、このまま未熟児のまま出産になることもありえるっていうことですか?」
「そうですね。ただ、心配しすぎないでください。安全な週数までお腹にいられるように万全の体制で処置をします。万が一、出産となった場合でも、当院にはきちんとフォローできる体制が整っていますから、あまり気に病まずに。ストレスが一番よくないですからね」
医師は安心させるように言った。
側に控えていた助産師や看護スタッフが、美澄に入院手続きについての説明をしてくれる。しかし現実を受け止めるのに精一杯で、美澄は生きた心地がしなかった。
一瞬、透夜の幼なじみで亡くなった千代と彼女の子どものことが脳裏をよぎったのだ。
(大丈夫。無事に生まれるように、がんばるから……もうちょっと、お腹の中にいてね。もう少しだけパパママに会えるのを待っていてね)
美澄は願いを込めて、お腹をゆっくりとさすった。
それから美澄は産科病棟へと移動し、ナースステーションで受付を済ませると、看護師に病室を案内してもらった。
六人部屋の四つのベッドが埋まっていて、美澄は一番手前のベッドだった。
隣は誰もいないようだが、窓際のベッドに寝ている一人と目が合い、美澄は挨拶をした。
「はじめまして、東雲美澄です。今日からこちらでしばらくお世話になります。どうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ。ご丁寧にありがとう。私、佐藤芽衣っていいます」
「――切迫早産、ですか」
美澄は頭が真っ白になった。
知識としては少しだけ本で読んだことがあるが、その詳細は知らない。
まさか自分がその当事者になるとは思わず、不安がこみ上げてくる。
「赤ちゃんは、大丈夫なんでしょうか」
落ち着かない様子で手を握った美澄を見て、医師は話を続ける。
「あくまでこのままだったら危険性があるということです。現在、東雲さんは妊娠三十二週に入るところなので、三十七週まではなんとかお腹の中で持ちこたえられるようにしたいんです。ここがリスクを回避できる最大限の周期なんです。ですから、ひとまず二週間は入院して様子を見た方がいいでしょう」
「もしも……止められなかったら、このまま未熟児のまま出産になることもありえるっていうことですか?」
「そうですね。ただ、心配しすぎないでください。安全な週数までお腹にいられるように万全の体制で処置をします。万が一、出産となった場合でも、当院にはきちんとフォローできる体制が整っていますから、あまり気に病まずに。ストレスが一番よくないですからね」
医師は安心させるように言った。
側に控えていた助産師や看護スタッフが、美澄に入院手続きについての説明をしてくれる。しかし現実を受け止めるのに精一杯で、美澄は生きた心地がしなかった。
一瞬、透夜の幼なじみで亡くなった千代と彼女の子どものことが脳裏をよぎったのだ。
(大丈夫。無事に生まれるように、がんばるから……もうちょっと、お腹の中にいてね。もう少しだけパパママに会えるのを待っていてね)
美澄は願いを込めて、お腹をゆっくりとさすった。
それから美澄は産科病棟へと移動し、ナースステーションで受付を済ませると、看護師に病室を案内してもらった。
六人部屋の四つのベッドが埋まっていて、美澄は一番手前のベッドだった。
隣は誰もいないようだが、窓際のベッドに寝ている一人と目が合い、美澄は挨拶をした。
「はじめまして、東雲美澄です。今日からこちらでしばらくお世話になります。どうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ。ご丁寧にありがとう。私、佐藤芽衣っていいます」