絶対に愛さないと決めた俺様外科医の子を授かりました
無論、病院に勤めているのだから白衣あるいはオペ着なんかを着ているのは当然なのだが、まさか彼が産科を訪れるとは思わなかったのだ。
「入院になったって聞いて、顔見に来た。休憩の間ちょっとだけな」
「わざわざよかったのに」
美澄はそう言いつつも、心強さを感じて胸が温かくなる。
「そういうわけにはいかないだろ」
大事な妻なんだからと、口にしなくても彼の表情からは伝わってきた。そういう彼の気遣いが嬉しくて、美澄は自然と笑顔になった。
「うそ。東雲先生っていったら、有名なイケメン先生じゃない? 看護師さんたちもよく噂してた……あ、東雲美澄さんって、もしかして先生の奥さん!?」
後方から飛んできた芽衣の大声に、美澄も透夜も目を丸くする。
「えっと、実は」
そうだった。今は芽衣と話をしていたのだ。新婚モードで二人の世界になりがちな自分を反省する。
「わぁ、すごい人と知り合いになっちゃった」
芽衣は声を弾ませるようにして言った。すると、看護師がこらこらと彼女をとりなす。
「佐藤さん、あんまり興奮して動かないように。もう少しの辛抱だから安静にね」
「はーい」
芽衣が看護師と話しはじめたのを見計らい、
「ちょっと失礼」
透夜が言ってカーテンを閉め、美澄と二人きりになる。状況を察した看護師から代わりに受け取った体温計を美澄に渡してくれた。
「体調は?」
声を潜めるようにして透夜が美澄に尋ねる。
「私自身は大丈夫」
美澄は笑顔で応える。しかし彼はまだ神妙な面持ちをしていた。
「個室に希望出すか?」
「あ、どうしたらいいかわからなくて、希望はしなかったんだけど」
「騒がしいのが嫌じゃなければ、おまえに任せる。その代わり、他の患者に影響が出るとまずいんで、あまり頻繁に顔は出せなくなるが」
「その方がいいですよ。先生の業務を邪魔するのもなんだし、芽衣さんとも仲良くなれそうですし。個室に閉じこもっているより、ずっと寂しくないかも」
「そっか。なんか気になることがあれば産科の医師に相談するんだ。このあと、看護師が点滴に来るようだから、着替えを済ませておけ」
医師であり夫である彼の心配加減に、美澄は心強さと共にくすぐったさを感じていた。
「ふふ」
「なんだ」
「透夜さん、日に日に過保護になっていきますね」
「……っそれじゃあ、俺は戻る。いい子にしてな」
「入院になったって聞いて、顔見に来た。休憩の間ちょっとだけな」
「わざわざよかったのに」
美澄はそう言いつつも、心強さを感じて胸が温かくなる。
「そういうわけにはいかないだろ」
大事な妻なんだからと、口にしなくても彼の表情からは伝わってきた。そういう彼の気遣いが嬉しくて、美澄は自然と笑顔になった。
「うそ。東雲先生っていったら、有名なイケメン先生じゃない? 看護師さんたちもよく噂してた……あ、東雲美澄さんって、もしかして先生の奥さん!?」
後方から飛んできた芽衣の大声に、美澄も透夜も目を丸くする。
「えっと、実は」
そうだった。今は芽衣と話をしていたのだ。新婚モードで二人の世界になりがちな自分を反省する。
「わぁ、すごい人と知り合いになっちゃった」
芽衣は声を弾ませるようにして言った。すると、看護師がこらこらと彼女をとりなす。
「佐藤さん、あんまり興奮して動かないように。もう少しの辛抱だから安静にね」
「はーい」
芽衣が看護師と話しはじめたのを見計らい、
「ちょっと失礼」
透夜が言ってカーテンを閉め、美澄と二人きりになる。状況を察した看護師から代わりに受け取った体温計を美澄に渡してくれた。
「体調は?」
声を潜めるようにして透夜が美澄に尋ねる。
「私自身は大丈夫」
美澄は笑顔で応える。しかし彼はまだ神妙な面持ちをしていた。
「個室に希望出すか?」
「あ、どうしたらいいかわからなくて、希望はしなかったんだけど」
「騒がしいのが嫌じゃなければ、おまえに任せる。その代わり、他の患者に影響が出るとまずいんで、あまり頻繁に顔は出せなくなるが」
「その方がいいですよ。先生の業務を邪魔するのもなんだし、芽衣さんとも仲良くなれそうですし。個室に閉じこもっているより、ずっと寂しくないかも」
「そっか。なんか気になることがあれば産科の医師に相談するんだ。このあと、看護師が点滴に来るようだから、着替えを済ませておけ」
医師であり夫である彼の心配加減に、美澄は心強さと共にくすぐったさを感じていた。
「ふふ」
「なんだ」
「透夜さん、日に日に過保護になっていきますね」
「……っそれじゃあ、俺は戻る。いい子にしてな」