ライム〜あの日の先へ
鈴子が混乱している間にも医師は素早く凛の容態を確かめていた。
医師が指示を出す。医師と看護師によって凛は運ばれていく。

「お母さんはこちらへ」

看護師が鈴子を案内しようとしてくれた。

ーーあぁ、これで安心だ。治療をうけられる。

病院にいることで安心してしまう。これもハルトの母のおかげだ。零次のことは気になるけれど、今は凛のことだけを考えよう。
鈴子はハルトの母に深々と頭を下げた。

「本当にありがとうございました、ハルトくんママ」
「お礼はいいから。リンちゃんについていてあげて。早く元気になって、またハルトと遊んでね」

ハルトの母に背中を押されるようにして、病院の中へと入ろうとした。




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