ライム〜あの日の先へ
「……これからは、自分の為に生きて。
今までおにいに迷惑かけてごめんなさい」

「鈴子は何も悪くないだろう。
一緒にこの街を出て、事件のことなど誰も知らないところで新しい生活を始めよう」

「おにいに、これ以上私のことで迷惑かけたくない。
お母さんが死んでからずっとおにいがそばで私を見捨てずに守ってくれた。本当にありがとう。でも、これからはもっと自分のことに時間を使ってほしいの。おにいだって遊んだり、恋したり、沢山楽しみたいでしょ?」

「そんなこと心配してるのか?鈴子は本当に優しいな。
俺、適当に恋も遊びもこなしてるよ?人生それなりに楽しんでる。ただ、俺にとって一番大事なのは鈴子の成長を見守っていくことだから。
言っておくけど、鈴子がいなかったら俺は高校も大学も就職もこんなまともになんていってない。自分の為、ましてや親父の為なんて勉強する気も起きないし。
だから、心配しなくていい。今まで通り、違う土地で兄妹力合わせて生きていこう」


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