最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「無理やり吸血鬼にされた者もいるかもしれないが、これは吸血鬼になった者に与えられた罰だと俺様は思う」

「罰だなんてそんなこと…。それで具体的にはどうなるの?」


「不定期に月が紅くなる日が来る。その日は誰の血でも構わず吸いたくなる。衝動に駆られ、それは自分の意思では止めようがない」

「誰かの血を吸えば症状はおさまるの?」


「血を吸う量が普段の倍以上になるからな。1人相手じゃ限界がある」


倍以上、か。壱流に頼むにしても貧血になられたら心配だし。他に頼める相手はいない。


「狗遠」

「どうした」


「実は私吸血鬼になって血を摂取してないの」

「1度もか!?」


「そ、そんなに驚くこと?」


普段の狗遠からは絶対に聞かないような声。


「…ありえない」

「え?」


「完全な吸血鬼になってないとはいえ、契約を済ませてから1度も血を吸っていなくて生きられるものなのか?」

「吸わないと死んだりする?」


「死ぬならとっくに死んでいる。今まで吸血衝動に駆られたことはないのか?」

「壱流が私の血を吸ってる時にそういう気持ちにはなったけど」


「それでよく我慢出来たものだな」

「それは元人間だし、そこまで血に対して執着してるわけじゃ……っ、なにするの」


狗遠は私の口の中に手を突っ込む。


「牙は生えているのに不思議なものだな」

「不思議?それをいうなら白銀先生だって吸血してるとこ見たことないわよ」


「あれは特別な血を持つ者であって吸血鬼ではないぞ」

「そう、だったわ」

あれって言い方……。普通の吸血鬼なんかよりもよっぽど吸血鬼に関して詳しいから勘違いしていた。

「俺様が知らないだけで特別な血を持つ者は無理やり吸血鬼された者たちとは色々と違うようだな」

「狗遠」


「?」

「私、貴方と今日久しぶりに会って少し警戒していたわ。ごめんなさい」


「なぜ謝る?」

「私、貴方のことも家族だって思ってるの」


本人には伝えていなかったけど壱流の前ではそういったし。そんな相手に隙を見せないように警戒していたなんて申し訳なくて。
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