デス・チケット
「早くここから出よう」


私は部屋に一歩足を踏み入れて、カズトモに手を伸ばした。


4畳くらいの狭い部屋だから、これだけで十分手が届く。


しかし私の手はカズトモの体をすり抜けていたのだ。


代わりに冷たい空気が手に絡みついてきて、咄嗟に引っ込めてしまった。


「どうなってるんだ?」


タイセイが私と同じようにカズトモに手をのばす。


その手はやはりカズトモにふれることができず、体をすり抜けてしまったのだ。


目の前にいるのに触れることができない。


それじゃまるで本物の幽霊だ!


「お願いカズトモ、一緒に来て!」


触れられないのなら自分で動いてもらうしかない。


しかし、カズトモは呆然と立ち尽くすだけで動こうとしない。
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