こんなのアイ?





「克実や愛実が思うより、俺とブレントは強い信頼関係にある。俺と愛実が暮らすここにブレントが来てもいいと俺は思うし、ブレントも嫌でないと思うぞ」
「そういうものなの?」
「俺とブレントはそうだ」

 私の問いかけに即答する悠衣を見て克実がブレントに電話を掛けた。そして悠衣の話を検証するかのように、私たちにも聞こえるようにテーブルにスマホを置く。

‘hello、Katsumi!What's up?’
「今、悠衣と愛実のところにいるんだがブレントも来るか?」
‘あー行きたい、ずっと行きたかったんだ。でも今日は無理だよ、ごめん’
「そうか、またな」
‘悠衣たちによろしく言っておいて。今ヨーロッパはワーキングタイムだからWeb会議が始まるんだ。ちょっとしたデザインのね’
「わかった。また来週打ち合わせで」
‘OK.bye’

「ホントだ…悠衣の言った通りの反応だ」
「だろ?」
「なんか二人、格好いいね」
「俺もそう思う」

 私と克実が言うと悠衣は声を上げて笑った。

「ははっ…兄妹揃って何言うんだか…くっくっ…とにかく気づかい無用。克実と愛実はクリニックが1日も早く軌道に乗るように、それだけを考えて頑張れ。9月1日からだろ?」
「そうだ」
「その頃に俺はテレワークを取り入れていくから。今日も試行だったが今よりここで仕事をする時間を増やす。愛実はクリニックに慣れるまで家事一切しなくていい。克実も一緒にここで食事してくれていいぞ。最初は大変なはずだからな」
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