こんなのアイ?
逃げようとする彼女にもう一度聞く。
「嫌じゃない?」
「…ちゃんと答えずに…ちゃんと気持ちに応えられてないのにダメでしょ…」
「ちゃんと考えてくれるんだね?嬉しい」
片手で頬を包み親指で涙の乾いたあとをそっと撫でると
「キスだけは許して…言葉だけでは伝えきれないよ…お願い愛実…」
彼女の瞳に唇を落とし、そっと目を閉じたその瞼にもう一度口づける。そして彼女のきゅっと閉じた唇を解きほぐすように軽く何度も啄む。角度を変え少し強さも変え何度も啄み、唇を触れ合わせたまま
「愛実…こうして簡単にキスをさせてくれないところも愛しいね…I’m in love with you…Manami」
彼女の唇がほんの僅かに緩んだ隙間に舌を滑り込ませ熱い口内をなぞる。愛実の背中を擦る僕の手は次第にウエスト辺りを撫でながら引き寄せ車内の窮屈さを感じる。彼女の手から缶珈琲が転げ落ち、びくっとした彼女の髪に手を差し込むと更に深く口づけた。
唇を頬や額、首や耳に落としながら
「僕の気持ち伝わったかな?」
と囁くと慌ててコクコク頷く様子も可愛い。
「アイラブユーじゃないニュアンスもOK?」
「…Got it…」
「最高っ、愛実」
もう一度深く口づけ…ただ彼女は夜は帰ると言い、今夜は送って行くことにした。