空の表紙 −天上のエクレシア−

少女の魔法



――――――――爆音と光



「駄目だ!!
防御壁が通過された!!」

「攻撃魔法も駄目だ!
うわあああ!!」

―――術をありったけ駆使する
法術士達

しかし魔獣の一軍は
建物を踏み潰し、進み続ける

白兎が放った光魔法も跳ね返り
光の粒に還るだけだ


「ふぬううう!!!
ウサタンよりデカいなんて!!
許せん!」



横で手を広げ
術士達の魔法力を増幅していた
オデッセイが笑う

「シロウサさん
怒るトコ違うっ!

てかコイツら…
皆どっか目指してると思ってたら…
やっぱ例の遺跡の方角じゃん…」

「しっかし…
こりゃどういうこった?
黒い存在に黒ぶつけても
意味ないかもしれんとは
思てたけど、
光も物理も効かんなんて
有り得ないだろう!」



―後ろでずっと
魔獣達を見つめて居たサリュが
オデッセイの服を引っ張り
口を開く



「『エレクトリック・パレード…。』」


「ん?
あの家で見た
『てれび』でやってた奴か?」


「うん。
…ここにいる
おとこのひと達、
みんな楽しそう。」


「え…」


サリュは背中で両手を組み
聞き覚えたパレードの曲を
口ずさむ




< 154 / 227 >

この作品をシェア

pagetop