空の表紙 −天上のエクレシア−
「ここの中に二人を入れて
アンタも一緒に行きな。
シィラと言う五百年越えの魔女の
洞窟に付く
私は一旦奥に戻るよ
誰も来ないうちにね
…今は眠っている『アレ』の元に行って、
この青い石で封印せねばならん
そうしたらそっちに向かうと
シィラに伝えとくれ」
『危ないよ!』
「…ありがとよ。
でも扉を閉めないといけない
…もう誰も入れない様にね…」
「…待て」
『ジーク!』
身を起こしたジークが
苦しい息の下から声をかける
「…奥には…赤毛の男と…が
いなかったか…」
「…ああ。いたよ。
王とその弟も一緒にね」
「!? 国王も…おられたのか?」
「…ここに入るのは
本来は国王しか許可しない
昨日から王は
ここに遊びに来ていたんだよ
そして朝いきなり
あんたらの王弟一団がやって来た
…どうしてもここを見て見たいと
言われたらしくてね
長、私の父も、弟ならと許可した
…それが失敗だった……」
『…何があったの?!』
「弟は王を殺した。」
『?!』
「ま…さか…仲は良かった筈だ…」
「そんなの知らない
…それを見て赤毛の男は逃げた
だが直後に弟は『扉』を開けた
その時の光の渦の中に
赤毛の男は消えてったよ
行き先はどこか知らないが
…死体は無かったから
生きてるかもしれないね」
――暫くの沈黙
「う…」
ノアールがうめく。
「早くしな。
水に描いた陣だから
早くしないと閉じちまうよ…じゃね」
そう言うと民族衣装の女は闇に消えた
『…取りあえず行くね。ジーク押すよ。』
「…お前ヨピか…?声どうした…」
『ん…』
―そっか。今、目見えないんだ―
ジークと少年を輪の中に入れる
暫くすると二人は
ゆっくりそこへと吸い込まれ
消えた
揺れる水面に自分の姿が映っている
(―ヨヒエルて神様みたいだよね―
いつだったかな
女に言われたそんな台詞
自分は輪には、入らなかった。
アンタも一緒に行きな。
シィラと言う五百年越えの魔女の
洞窟に付く
私は一旦奥に戻るよ
誰も来ないうちにね
…今は眠っている『アレ』の元に行って、
この青い石で封印せねばならん
そうしたらそっちに向かうと
シィラに伝えとくれ」
『危ないよ!』
「…ありがとよ。
でも扉を閉めないといけない
…もう誰も入れない様にね…」
「…待て」
『ジーク!』
身を起こしたジークが
苦しい息の下から声をかける
「…奥には…赤毛の男と…が
いなかったか…」
「…ああ。いたよ。
王とその弟も一緒にね」
「!? 国王も…おられたのか?」
「…ここに入るのは
本来は国王しか許可しない
昨日から王は
ここに遊びに来ていたんだよ
そして朝いきなり
あんたらの王弟一団がやって来た
…どうしてもここを見て見たいと
言われたらしくてね
長、私の父も、弟ならと許可した
…それが失敗だった……」
『…何があったの?!』
「弟は王を殺した。」
『?!』
「ま…さか…仲は良かった筈だ…」
「そんなの知らない
…それを見て赤毛の男は逃げた
だが直後に弟は『扉』を開けた
その時の光の渦の中に
赤毛の男は消えてったよ
行き先はどこか知らないが
…死体は無かったから
生きてるかもしれないね」
――暫くの沈黙
「う…」
ノアールがうめく。
「早くしな。
水に描いた陣だから
早くしないと閉じちまうよ…じゃね」
そう言うと民族衣装の女は闇に消えた
『…取りあえず行くね。ジーク押すよ。』
「…お前ヨピか…?声どうした…」
『ん…』
―そっか。今、目見えないんだ―
ジークと少年を輪の中に入れる
暫くすると二人は
ゆっくりそこへと吸い込まれ
消えた
揺れる水面に自分の姿が映っている
(―ヨヒエルて神様みたいだよね―
いつだったかな
女に言われたそんな台詞
自分は輪には、入らなかった。