神殺しのクロノスタシスⅣ
ビルの中は、全くと言って良いほど人気がなく。
慌てて夜逃げでもしたかのように、あちこちにビラや新聞が散らばって、荒れ放題だった。
「誰もいないのか…?」
その可能性は有り得る。
強制捜査の通告を受け、捕まることを恐れて一斉に逃げ去った…。
逃げたところでどうにかなる訳じゃない、むしろ逃げたことで、余計罪が重くなるというのに。
逃げるってことは、咎められるような疚しいことをしました、と証言しているようなものだ。
疚しいことがないなら、堂々としていれば良いんだからな。
しかし…。
「何だか、お化け屋敷みたいだねー」
電灯の消えたビルの中で、ベリクリーデがポツリと言った。
お化け屋敷って、お前…。
「縁起の悪いことを言うんじゃない」
「だって、薄気味悪いし…。いかにも、何か仕掛けられてそうじゃない?」
「だから、縁起悪いこと言うなって…」
いつ何のトラップが発動しても良いよう、防御魔法の準備は常にしているが。
本当に何か仕掛けられていたら、俺達だって危ないんだぞ。
すると。
廊下の突き当たりに、広い会議室のような部屋を見つけた。
…マジで、何か仕掛けられてそうな部屋を見つけてしまったな。
ベリクリーデが、余計なことを言うからだな。
嫌なフラグを立てるから…。
しかし、アトラスは素知らぬ顔で、ずんずん進んでいく。
怖いもの知らずめ。
「何が待ち受けてるんですかね〜」
「あのなぁ…遊びに来た訳じゃねーんだぞ…?」
キュレムとルイーシュも、アトラスに続く。
若者達が恐れを物ともせず、立ち向かってるんだからな。
この中で一番年長の俺が、臆する訳にはいかない。
さて前に出よう、と思ったら。
「あてっ」
「は?」
カランカラン、と音がして、ベリクリーデの間抜けな声が聞こえた。
「どうした?」
振り向いて見ると、ベリクリーデが躓いて、べちゃっと床に手を着いていた。
「…何やってんの?」
「転んだ。空き缶で」
足元見て歩け。
「何をやってんだ、全く…」
「大丈夫ですか?」
俺と、近くを歩いていたクュルナまでもが、気を遣ってベリクリーデに声をかけた。
ごめんな、この間抜けのせいで。
「転けちゃったー」
「良いから、早く立て。怪我してないだろうな?」
「うん」
それは良かった。
ベリクリーデを立たせ、さて改めて…と、前を向いたとき。
アトラスは、広い会議室に足を踏み入れていた。
慌てて夜逃げでもしたかのように、あちこちにビラや新聞が散らばって、荒れ放題だった。
「誰もいないのか…?」
その可能性は有り得る。
強制捜査の通告を受け、捕まることを恐れて一斉に逃げ去った…。
逃げたところでどうにかなる訳じゃない、むしろ逃げたことで、余計罪が重くなるというのに。
逃げるってことは、咎められるような疚しいことをしました、と証言しているようなものだ。
疚しいことがないなら、堂々としていれば良いんだからな。
しかし…。
「何だか、お化け屋敷みたいだねー」
電灯の消えたビルの中で、ベリクリーデがポツリと言った。
お化け屋敷って、お前…。
「縁起の悪いことを言うんじゃない」
「だって、薄気味悪いし…。いかにも、何か仕掛けられてそうじゃない?」
「だから、縁起悪いこと言うなって…」
いつ何のトラップが発動しても良いよう、防御魔法の準備は常にしているが。
本当に何か仕掛けられていたら、俺達だって危ないんだぞ。
すると。
廊下の突き当たりに、広い会議室のような部屋を見つけた。
…マジで、何か仕掛けられてそうな部屋を見つけてしまったな。
ベリクリーデが、余計なことを言うからだな。
嫌なフラグを立てるから…。
しかし、アトラスは素知らぬ顔で、ずんずん進んでいく。
怖いもの知らずめ。
「何が待ち受けてるんですかね〜」
「あのなぁ…遊びに来た訳じゃねーんだぞ…?」
キュレムとルイーシュも、アトラスに続く。
若者達が恐れを物ともせず、立ち向かってるんだからな。
この中で一番年長の俺が、臆する訳にはいかない。
さて前に出よう、と思ったら。
「あてっ」
「は?」
カランカラン、と音がして、ベリクリーデの間抜けな声が聞こえた。
「どうした?」
振り向いて見ると、ベリクリーデが躓いて、べちゃっと床に手を着いていた。
「…何やってんの?」
「転んだ。空き缶で」
足元見て歩け。
「何をやってんだ、全く…」
「大丈夫ですか?」
俺と、近くを歩いていたクュルナまでもが、気を遣ってベリクリーデに声をかけた。
ごめんな、この間抜けのせいで。
「転けちゃったー」
「良いから、早く立て。怪我してないだろうな?」
「うん」
それは良かった。
ベリクリーデを立たせ、さて改めて…と、前を向いたとき。
アトラスは、広い会議室に足を踏み入れていた。