神殺しのクロノスタシスⅣ
…。

…気がついたとき。

僕は、イーニシュフェルト魔導学院の医務室にいた。

「あ…気がついた?」

「…天音さん…」

ベッドの脇に、天音さんが座っていて。

僕に、回復魔法をかけているところだった。

その理由は簡単だ。

僕今、身体が言うことを聞かない。

魔力の消費が激し過ぎて、起き上がるのも辛い。

我ながら、生死を問わず魔力をぶち込んだらしい。

全く。不死身じゃなかったら死んでたな。

すると、案の定。

「魔力…使い過ぎだよ。君のことだから、後のことは考えずに、限界を越えて魔力使ったんでしょ」

バレてるし。

「回復魔法…僕には使わなくて良いですよ…。死ぬほど魔力使っても…僕は死にませんし…」

「関係ない。良いからじっとしてて」

有無を言わせない、ってことですか。

「…命を大事にしてって、何度も言ってるのに…」

「…」

命を…大事に…か。

さっき、大勢殺してきた僕に対する、皮肉ですかね?

…で、それはともかく。

「…う、くっ…」

「え、ちょ!起き上がっちゃ駄目だよ!」

僕は、言うことを聞かない身体に鞭打って。

無理矢理、上体を起こした。

慌てて天音さんは杖を置き、僕を止めようとしたが。

僕は、そんな天音さんの背中に腕を回した。

「えっ?」

「…天音さん」

あなたに、言わなければならないことがある。
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