神殺しのクロノスタシスⅣ
XIV
―――――…最初に魔法陣を見つけ、四人が消えてから、五日目。

聖魔騎士団魔導部隊隊長の私、シュニィ・ルシェリートは。

一人、母校であるイーニシュフェルト魔導学院を訪れていた。

学院長先生にお話を聞く為…というのが名目ではあったが。

内心、今も拭い去れない不安を、少しでも和らげて欲しいという気持ちもあった。

私はこの五日間、四人の仲間達が消えたのは自分のせいだと思っていた。

私が軽率だったが為に、みすみす彼らを敵の罠に嵌めるようなことを…。

彼らが今どうしているのか、足取りも掴めない。

向かったのは、魔封じの石という不思議な道具で作られた、魔法が使えない異次元世界だという。

そんなところに送られて、彼らが無事であると楽観視することは、私には出来なかった。

それなのに、当の私はこうして、のうのうともとの世界で…。

…。

アトラスさんは、「お前の責任じゃない」と言ってくれるけれど。

それでも私は、自分を責めずにはいられなかった。

私がもっと警戒していれば…。

陰鬱な思いで、私は母校に向かった。

「学院長先生、失礼しま…す?」

学院長先生がいる、学院長室の扉をノックし。

部屋の中に入ってみると。

「…!?」

そこには、異様な光景が広がっていた。
< 408 / 795 >

この作品をシェア

pagetop