神殺しのクロノスタシスⅣ
そして。



いざ、結婚式が始まった。



式場に入場すると、そこには。

イーニシュフェルト魔導学院の面々と、聖魔騎士団魔導部隊大隊長達が、客席に座っていた。

めっちゃ見られてるんだけど。

まぁ、結婚式において新郎新婦は、要するに見世物だからな。

ついでに、オレンジ小人も、手を叩いてこちらを見ていた。

くたばれ。

誰のせいで、こんなことに。

改めて、自分のやっている茶番の馬鹿馬鹿しさに涙が出そうになるが。

その前に、結婚式をつつがなく終えなくては。

会場となった教会の中は、色とりどりの花やリボンで飾られ、非常にメルヘンな雰囲気が出ていた。

花は本物だが、あのリボンって、イーニシュフェルト魔導学院の生徒が、糸魔法で作ったものなんだってな。

器用なもんだよ。

さすが、『アメノミコト』の暗殺者だった子供。芸が細かい。

色んな、面倒臭い前置きは端折って。

結婚式の花形、新婦ベリクリーデの入場である。
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