ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
 エリナは両手のひらを『黒き魔女の瞳』に当てると、そこから彗星全体に光を染み込ませる。命なき存在であるはずの彗星は抵抗するように振動をしたが、エリナは「あっ、ついでに温熱効果もつけちゃおうっと」と可愛らしい声で言って気に留める様子を見せない。

 手をつぶったエリナの脳裏には、彗星を構成する分子の隙間に入り込む光の粒が映っていた。光の粒は彗星をくすぐるように細かく震えて、分子間の結合を緩ませた上に、分子を振動させて熱を発生させた。

 いくら巨大で硬質な『黒き魔女の瞳』であっても、その根本から崩されたらひとたまりもない。

「よーし、このままいけいけ、いっちゃえー!」

 エリナが発する光は彗星をまるっと包み込んで、そのすべての結合を解いてしまった。

「あ……みんな、逃げて! 忘れてたけど、固体が気体に変わると……」

 そう、瞬間的に容積が増大するのだ!

「うわーっ!」

「クー・シー、ルディを!」

 フォーチュナがエリナに体当たりするようにして小脇に抱え、クー・シーがルディの首根っこにしがみついて、ふたりのベテラン妖精達が瞬間移動をしたその時、エリナの胸元の“妖精の環”が砕け散り、同時に『黒き魔女の瞳』は大爆発を起こしてそのまま宇宙空間に消え去ったのであった。
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