ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
 店内の清掃をミメットに任せて、エリナは店の前を丁寧に掃き清めた。
 ここは店の顔なのだ。子猫が毎日、小さな手に箒を持ってせっせと掃除しているのを知っている客たちは、毎晩店の前に行列を作ってもゴミのひとつも落としたりしない。

 この店は、若い娘猫たちが開いているので、早めの時間に開店して、多くの酔客が夜の町をうろつく前に売り切れ閉店となる。そのためトラブルにもあいにくく、幼いエリナでも安心して勤めることができる。

 それでも心配性のルディが、勤務が終わった後、毎晩迎えにやってくるのだが。

 そして、新作が出る日となると、ルディ隊長は早上がりをして、開店前から青弓亭の臨時警備員として店内に目を光らせるのだ。
 公私混同であると彼に文句を言う者が誰もいないのは、王都警備隊長のルディが人一倍の働き者だからというのもあるが、子猫のエリナは国の宝とも言われるほどの大変貴重な人材であるからだ。

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