ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
 スカイヴェン国では美味しいお肉が食べられるのは良いのだが、素材の美味しさのせいかあまり複雑な料理法が広まっていない。
 塊を焼くか、煮るか、表面を炙って半生で食べるか、などなどのワイルドな料理は、確かに肉の美味しさを生かしたものなのだが、若くて歯が丈夫な獣人向けのものである。そして、歳をとり肉を食いちぎれなくなると、クタクタに煮込まれて崩れた肉料理ばかりを食べることになるのだ。
 若い頃好物であったスパイシーなステーキが食べられなくなると、獣人は老いを感じて切なくなるものである。

 ギルバートも、煮込んだ肉ばかりを食べていたのだが、エリナが作ったハンバーグを食べた時には、その香ばしさと黒コショウを利かせたスパイシーな香りと辛み、そしてこんがり焼かれた肉の中からじゅわっと肉汁が溢れるその美味しさの虜になった。
 彼は『これは、衰えた老人のための料理ではなく、誰もが美味しく食べられる肉料理なのだ』と思い、歳をとってもステーキを味わえる幸せを強く感じたのだ。
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