ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
「そう言われてみると……確かにそうなのかもしれないにゃ……」

 エリナは以前、乾物屋から豆製品を普及させたいという呟きを聞いていたのだ。

 スカイヴェン国では味噌も醤油も製造していない。他国から輸入しているのだ。大豆は質の良いものが収穫されているが、茹でて食べたり炒って摘んだりしてほんの少しだけ食べられている状況だ。
 大豆を材料に豆腐を作ることで、大豆の消費が増えてこの国に新しい食材をもたらすことができ、豆料理界に新風が吹き込まれる。

 考え込んだエリナに、黒豹の宰相ガーダントが重々しく頷きかけた。

「そうですよ。そして、新しい料理を作り出したエリナさんは、そのレシピを内緒にするのではなくこの国に普及させたい。そうお考えなのではありませんか?」

「そ、そのとおりにゃん! どうしてわかるにゃん!」

 驚いたエリナは子猫丸出しになってにゃんにゃん言ってしまったので、居並ぶ人々は『しっかり者の振る舞いが崩れたエリナが可愛すぎる……膝に乗せて撫で回したい……』と、子猫の頭をわしゃわしゃ撫でたくなる思いを必死で抑え込む。

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