陰謀のための結婚

「正直に言うと、恋人と会うために土日の両方を費やすのに抵抗があって、誘おうか迷った」

 これには驚いて、慌てて謝りの言葉を口にする。

「ごめんなさい。私、浮かれて『会いたい』だなんて言って」

 つないでいた手を持ち上げられ、その仕草を目で追うと、彼は少し体を屈めて私の手の甲にキスをした。

「浮かれてた? 俺も浮かれてる」

 どうしてこんなに甘いの?

 なにも言えずにいる私に、「ちゃんとデートに行くから、一旦パソコンを置きに帰らせて」とお伺いを立てられた。

「それは、はい。どうぞ」

「玄関で脚、絡めてこないでね」

 一瞬で昨日の艶かしい場面を回想しそうになり、彼に文句をぶつける。

「もう! 智史さん!」

 戯れ合いながら、駅までの道を歩く。
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