陰謀のための結婚
「終わらせようとしてる? 俺、香澄ちゃんが嫌だって言っても、離すつもりないけど」
真っ直ぐな瞳が私を捉えて離さない。
「いや、本気で拒否されたら、諦めるしかないんだけど、俺は、香澄ちゃんが隣にいない人生は考えられない」
「それは、だって」
私の隠し事を知った上で?
そんなわけない。
頭ではそう思っているのに、涙はあふれて止まらない。
「もしも、俺との結婚を断りたいがために『三ヶ月の間に妊娠しなかったら』という俺の言葉に頷いたのだったら」
私は堪らず、目の前の彼の胸にしがみついて、力なく首を横に振る。
「ふたりで犬を飼えばいいじゃないか。養子を迎えたっていい」
彼は私に腕を回して抱き締めた。私は彼の広い胸の中で、彼に縋りつくように泣いた。