陰謀のための結婚

 彼が言った通り、この姿勢のせいなのか、彼が口を挟む内容のせいなのか。懺悔になるはずが、なんだか甘い会話になってしまう。

「智史さんに惹かれれば惹かれるほど、自分の体を思うと悲しくなりました。妊娠できない私は、智史さんの側にいるべきじゃないんです」

 シンとした静けさのあと、優しくキスをされた。

「俺は香澄ちゃんが隣にいて、笑ってくれていればそれでいい。寂しいというのなら、犬を飼ってもいいし、養子を迎えてもいいと本気で考えて」

 彼はポケットからスマホを取り出して私に見せた。

「特別養子縁組という制度があるらしい」

 彼の愛情を痛いほど感じて、胸が苦しい。

「ダメですよ。城崎リゾートのトップになるためには、結婚と子どもが条件だって聞きました」

 スマホから目を離し、智史さんは私を見つめる。

「誰から聞いた?」

「それは、その」
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