陰謀のための結婚

「もういいんです。どうせ私は智史さん以外の男性を、好きになれるわけがないんですから」

 いじけた声を出すと「ったく。無自覚な口説き文句」と頬にキスをされる。

「それなのに、その中隔子宮という病気のために、俺との別れを考えた。中隔子宮だと流産しやすくて、だから妊娠できない体だと」

「その病気だとは知らなかったんです。子どもの頃に母から妊娠できないと聞かされて、それ以上聞かなくて。結婚するつもりもありませんでしたし、困らなかったので」

 ここまで話しておいて、急に言いづらくなる。

 どういう反応をするのだろう。

 彼の反応で、今まで私に言っていた言葉が、本心からなのか、私を思い遣っての言葉なのかがわかる気がして、緊張をする。

 黙り込んだ私に「どうした?」と彼は優しく言った。

「あの、それで、初めて知ったのですが、手術すれば、妊娠も可能だそうです」

 言葉を失う彼を見つめる。

「そっか。そうか。うん」
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