陰謀のための結婚

 しかし友恵さんは控えめに意見する。

「私は、まだ香澄さんとお話がありますから」

 友恵さんの発言に不安がよぎる。城崎社長がいては、話せない話があるというのだろうか。

 よほど不安げな顔をしていたのか、城崎社長が目を丸くして言った。

「やはり親子だな。友恵さんへ向ける不安げな表情がそっくりだ」

 三矢に視線を向けると目が合い、すぐに目は逸らされた。

「では、私たちはこれで」

 夫人の声かけで城崎社長と連れ立って三矢も個室を出て行く。

 なにを話すつもりだろうか。という視線を友恵さんに向けつつも、特になにか言い残したりもせずに静かに退室した。

 三人が出ていったのを確認してから、友恵さんは口を開いた。

「ごめんなさいね。不安にさせて。でも話しておかないといけないと思って」

「俺もこの場にいていいでしょうか。彼女とのこれからのためにも、できれば一緒にお聞きしたい」

 軽く握られていた手に力が込められ、ひとりじゃないと言われている気がした。

「ええ。是非ふたりで聞いてほしいわ」

 友恵さんは柔らかく微笑んでから、話し始めた。
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