もふもふ、はじめました。

週明けの夢

 パタンと音をさせてドアを閉めて、ずるずると玄関に行儀悪く座り込んでしまう。

「……吉住課長、これって本当に?」

 しんとしたワンルームでひとりごちると、少し震えている両腕を摩った。

 あの後。私はなんとか他愛のない話で場を繋いで、とにかく家へと帰って来た。

 でも、彼から別れ際に言われた言葉が忘れられない。

『もしその気になったら連絡してくれ……ずっと、待ってるから』

 あの綺麗な顔で切なそうに言われた台詞。私の乗った電車のドアが閉まり発車して行ってしまうまで、じっと見つめる瞳。
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