腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる
リク先生が私の目の前で止まった。身長差25cm、私は顔を上に上げる。
リク先生の顔を見て、顔がまた自然に赤くなるので、頬を手で覆った。
「もも、どうしたの? 顔が赤いけど、もしかして風邪?」
「リク先生がかっこいいなーと思って見てました」
思わず気持ちがそのまま言葉に出てしまうと、先生は先ほどの男の子の相手同様優しく微笑んで、
「ももも、いつも通り可愛いよ」
と言う。
「ありがとうございます!」
嬉しくてずっとニヤニヤしちゃう。
いつも通り先生は優しい。
できれば私だってあの男の子同様に先生に飛びつきたいけど、私は大人、と5回心の中で唱えてぐっと我慢した。