腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

「先生、ありあとうございます……疲れてるのに、ごめんなさい」
「大丈夫だよ」
「なんでいつもそんなに完璧なんれすか……私、先生のこと心配で」
「心配?」

「辛いこともたくさんあるし、しんろいことも……だから、もっと、私に本音、言っていいんれすよ。私……先生のこと、もっともっと知りたいって思ってるんれすから」

 そう真剣に告げたのに、眠気が込み上げる。

 あぁ、なんだか眠いなぁ。
 水を飲んだら、先生がそのコップをテーブルに置いてくれて、微笑む。

 時間は12時前。先生はいつも遅いし、私もいつも12時には眠ってしまうので、こうやって深夜に顔を合わせるのは初めてだ。

 嬉しいけど……このまま寝ちゃいたい……。
 私は夜に弱い。特に今日は飲んできちゃったし……。

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