甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
「でも……そんなのって……」
 ようやく感情が追いついてきた。

 わたしは彼の前に立ち、すがるように両腕を強くつかんだ。
「お願いだから考え直して……その人とまだ始まってもいないんでしょう? だったら……」
「ごめん」
「そんなの……酷すぎるよ」
「わかってる」

 わたしはぼろぼろ涙をこぼしながら、必死で抗議した。
 裕樹は土下座までして、すまないと繰りかえした。
「彼女のことを何度も諦めようと思った。ただの同情で愛じゃないって、自分に言い聞かせようとしたんだ。でも……」

 彼が放った最後の言葉はわたしの胸をグサリと突き刺した。

「ごめん……自分に嘘はつけない。どうしてもこの手で彼女を支えてやりたいんだ」
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