甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
 わたしは反射的に彼の手を払っていた。

 とたんに彼の表情が曇った。

 あ、いけない。
 助けてくれただけなのに、手を払ったりしたら絶対気を悪くする。

「ごめんなさい」
「いや、転ばなくてよかった」
 彼は無理に笑顔を作って、そう言ってくれた。

 どうして、こうギクシャクした態度を取ってしまうんだろう。
 いつも心の反応と身体の反応が一致しない。

 島内さんと一緒だと……
< 106 / 164 >

この作品をシェア

pagetop