甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
 
〈side Ryosuke〉

 フットサルの練習帰り、俺は孝之を誘って栗原の店にやってきた。

「孝之ー、お前の姉さん、超手強いな」
「えー、まだ、OKもらえてないんですか?」

「ああ。今週の頭から部署が一緒になって、毎日顔合わせてるんだけど、なんか、まだ見えない壁があるんだよな。5mmぐらいは気を許してくれるようになった気もするんだけど」

「こいつさ、今まで自分から女の子にアプローチした経験がないらしくて」

栗原の言葉に、孝之は納得の表情で頷いてる。

「そりゃ島内さん、立ってるだけで女の子寄ってきますからね。うちのマネージャーも島内さんが来たら目の色が変わっちゃって。今日、ぜんぜん仕事してくれなくて困りましたよ。なにかと理由つけて島内さんのところに行っちゃうから。あ、亜衣は違いますけど」
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