甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
「いやぁ、それにしても植田さん、仕事が早くて正確で、本当助かってる。ねえ、多田さんもそう思うよね」
「ああ、確かに」

「ありがとうございます。少しでも皆さんのお役に立てているなら嬉しいです」
「少しどころか、ねえ、室長」

 島内さんは今度は室長に水を向けた。

「島内の言う通りだ。ひとりでよく頑張ってくれてるよ。計画が順調に進めば、もう少し人を増やしてもらえると思うが、それまでは今の調子でよろしく頼むよ」
「はい」

 そんなふうに言ってもらえてとても嬉しかった。

 みなさんの足を引っ張っているのではないかと引け目しか感じていなかったから。

 嬉しさで心がほんのり温かくなってくる。
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