甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜

***

 で、その夜はドキドキして、なかなか寝つかれなかった。

 もう20代後半のいい年だというのに恥ずかしい気がするけれど、男の人に告白するのははじめて。

 これまでちゃんと付き合ったと言えるのは裕樹ひとりだった。
 そのときは彼のほうが告白してくれたし。

 うまく話ができるタイミングがあればいいんだけれど。
 
 翌朝、島内さんのいつもの出社時間に合わせた電車に乗り、着いてからあたりを見回したけれど姿は見えず。

 そして、会社に着くと、島内さんはすでに外出したと告げられた。

 なんでも、以前の担当先で発注ミスの大きなトラブルがあったらしくて、現担当者と一緒に謝罪に行っているとのことだった。

 朝のミーティングで室長は言った。

「別に島内が行く必要はないんだが、引き継いだのが2年目の奴なんで、泣きつかれたらしくて。まあ、面倒見の良さもあいつの長所のひとつだけどな」

 けっきょく、彼の帰社は5時すぎだった。
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