甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
「な、嘘じゃないだろう?」

 顔にかかる前髪をうるさそうに掻き上げながら、島内さんはわたしの顔を覗き込んだ。

「なにせ、兄貴、今、売り出し中だからさ。結婚はトップシークレットでね。ほら、橋本さん、指輪もしてないだろう? 厳重に口止めされてるんだ。今の時代、ちょっとでも情報が洩れたら、すぐ拡散しちゃうからね。ごめん、植田さんを信用していないわけじゃなかったんだけど」

「じゃあ、来てくれないって言うのは」

「兄貴からの伝言。本読みの付き合い。次の連ドラ、バディものらしくて。いつもはマネージャーさんを相手にするんだけど、男じゃないと雰囲気が出ないとか言って。メールを無視してたら、郁美さんに頼んだらしくて。ったく、こっちだってそんな暇ないっていうのに」
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