甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
「もう言いたいこと言って」
 そんなわたしたちの様子を見て、彼も笑ってる。

「ほんとに仲がいいな。弟とはいえ、妬けるんだけど」

「島内さん。姉ちゃんの尻に敷かれちゃいますよ。そんなに溺愛ぶりを発揮してたら」

「いいんだよ。俺は本当に可愛くて仕方がないんだから、奈月のこと」
 そう言って、亮介さんはわたしの髪にキスを落とす。

「亮介さん。みんなが見てるから」

 わたしの抗議なんて、まったく知らん顔で、亮介さんはさらに肩に回した手に力をこめて引き寄せる。

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