甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜

***

 一部始終を語り終え、わたしは大きく息をついた。
 
「わたしにも悪いところはあったと思うんです。仕事にかまけて、彼を大事にしてなか――」
 わたしが話し終える前に、島内さんは驚くほど鋭い声で言い放った。
「その男が勝手すぎるだけだ。植田さんは何も悪くない」

 ほとばしるように彼の口から出たその言葉に、張り詰めていた心から力が抜けていくのがわかった。

「つらかったな。そんなに長い間、眠れなかったんじゃ。それなのにちゃんと仕事もこなして……よく頑張ってるよ、植田さん」

 島内さんはそう言って、隣に座るわたしの頭をそっと撫でた。
 わたしはぼんやり彼を見つめた。

 柔らかく触れる彼の手の温もりがただただ心地よかった。
 
 髪に触れたまま、彼は柔らかな笑みを浮かべていた。
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