甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜

〈side Ryosuke〉

「めずらしいな。お前がひとりでこんな明るい時間から」

 植田さんと一晩過ごした翌週の月曜日。
 営業先から直帰の連絡を入れ、悪友、栗原がやっている新宿のバーに、開店前に飛びこんだ。
 ひとりでいたら、自己嫌悪でどうにかなってしまいそうだった。

「えっ? じゃあ、あの4年越しの片想いの相手とついにヤッたの?」
「ああ」
「めでたいじゃん。で、なんでそんなに落ち込んでんだよ」
「彼女、長年付き合ってた恋人にフラれたばっかりでさ。で、食事に誘って慰めるだけのつもりだったんだけど……ああ、俺、絶対、軽蔑されてる。精神的に参ってる彼女につけ込んだ……卑怯な男だって」

 カウンターに突っ伏す俺の横に、栗原はハイネケンの小瓶を置いた。
< 36 / 164 >

この作品をシェア

pagetop