甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
「はい。やっぱり緊張しますね。新しい部署の初日は」

 わたしはあらためて言った。
「これからよろしくお願いします」
「こちらこそ。いやぁ、毎晩神に祈った甲斐があったよ。植田さんと一緒に働けるなんて」

「大袈裟ですね、相変わらず」
「植田さんもつれないな、相変わらず」

 わたしたちは準備室のある7階に向かった。
「そうだ。聞いてる? 俺、孝之くんたちのチームのコーチ、することになったよ」

「えっ? コーチですか?」
 わたしは驚いて声をあげた。
「あの、もしかして孝之が強引にお願いしたんじゃ……」

 島内さんは笑って否定した。
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