黒曜の戦場


「線引くだけならペン先変えて試してみろよ。筆圧に対してペン先が合ってねぇ時もある」

「ペン先を変える……?」



今使っていたのは丸ペンだ。

基本的にペン軸にペン先を突っ込んで固定してつかうのだけど、丸ペンは細い線も太い線も力加減で柔軟に変化する、スタンダードなペン先。

柔らかな線が引けるGペンより少し硬めのペン先だ。



雨林さんから一番最初に渡されたペン先をひとつしか使ってない……つまり初期装備のまま今も練習している琥珀ちゃんであるっ!!



「……そういえばその丸ペン、初期に付けたままなの?」



雨林さんが眉間にシワを寄せて私に尋ねてくる。

私がこくりと頷くと、雨林さんもいおりさんも頭を抱えてしまわれた!!

なぜなの!!!



「一緒に渡した他のペン先は?」

「筆箱に仕舞ってありまする」

「琥珀お前……ペン先は繊細で、力を加えてる分書き味がどんどん変わってくる。そりゃ書きにくくなってくるわけだ」

「………………まさかこのペン先もう既に寿命ってことですか!!?!?」



まって、何日使った……?

まだ使い始めて一週間も経ってないぞ!!?

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