黒曜の戦場


そんな二人をカメラに収めるみっちょんもまたニヤニヤとして楽しそうだし、琥珀はお花を片っ端から撮影している。



今日はデート……いや、いおくんがみっちょんを呼んで自分も付いてくると言ったことによって、Wデートというシチュエーションになってしまったのだけれど。

なんというか、これは……。





これは……撮影会だねっ!!!??





もはやデートの要素はいずこやら?

綺麗なお花と美しいお空の撮影会になっていた。



琥珀もカメラを向けてパシャリパシャリしている。むふふ。



「なんだか、琥珀の読んだ少女漫画となんか違う気がする。もっとみんなでわちゃわちゃソフトクリーム食べるのかと思ってた」

「どんだけソフトクリーム食べたいのよ。今日結構寒いわよ?」



そう言ってブルりと震えるみっちょんが、「っくしゅん」と可愛らしいくしゃみをする。



すると、それに気付いたいおくんが近付いてきた。

おやおやぁ?



「なに、寒いのお前?」

「別に。ちょっと風が冷たかっただけよ」

「んな脚出して薄着で来てっから冷えんだろ」

「ファッションは時に寒さを犠牲にすることも必要なんですー。なにしてんの、花撮ってくればいいじゃない」

「……お前、今日の為に粧《めか》し込んできたの?」

「……は?」

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