黒曜の戦場

クロッキーされていた男たち(番外編)



「脱げ」

「え」

「え」



俺らは、黒曜の下のでいつものように数人メンバーを集めてUNOをしていた。

そんな所に来たいおりさんに、二人来いと呼び出され、そしていおりさんの部屋まで来た。



一応何させられるのかもわかってはいた──

つもりだったけど。



「え」

「脱げ」

「スケッチっすよね……?」

「脱ぐ必要あるんすか……」

「服あると絡み見えねェんだよ。ゴツい筋肉削ぎ落として片方女にすんだ。脱いで片方腰にしがみつけ」



とんでもない要求をされた。



「女に……?」

「身長小せぇ方、立ってろ。高ぇ方がしがみつけ」

「え?」



話には一応聞いていた。

どうやら女役を女に任せるとそーいう気持ちになっちまうらしく、特に〆切の近い日には俺ら下のモンが呼び出されるようになった。

いおりさん好みの女をモデルにしちまうから、誘惑されちまうらしい。

さすがいおりさんだぜ、羨ましい。



…………まって俺、女役!!?

どんなカッコすりゃいいかなんて分かんねぇっすけど!!?

俺は肩をピキリと上げて固まった。

できれば誰にもこの姿を見られたくない。


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